第219話敵を救う

オリヴィアは咄嗟に身を固くし、指一本動かすことさえためらった。幸いにも車は激しく震えたきり、落下を止めた――だがそれが、かえって状況をいっそう危うくしていた。

揺れが収まると、オリヴィアはようやく息を吐いた。そのときになって初めて、座席から突き出たギザギザの金属片で指先が切れていることに気づく。傷口から血がにじんでいたが、手当てをしている暇はない。

彼女はようやくセレステのそばへ辿り着き、急いで自分の上着を脱いでセレステの頭の下に差し入れた。床に散った割れたガラスから守るためだ。それから、そっと肩に触れる。「ハワード夫人、起きて。行かなきゃ。車が、もう長くもたない」

セレステのまぶたがか...

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