第53章負傷者

ヴァーノンの手下三人は必死にうなずいた。

「ご安心ください、ハワードさん。すぐに警察署へ連れていきます!」

三人はなかなか勘が利いた。さっきヴァーノンの口をふさいだだけでも、あいつが自分たちを許すはずがない――そう悟っていたのだ。

だが幸い、次にヴァーノンが向かう先は牢獄である。あいつから報復される心配はない。

三人はヴァーノンを路地から引きずり出し、警察署へ向かった。

路地は静けさを取り戻し、マシューはオリヴィアのほうを振り返った。

「君には護衛をつけたはずだ。ザックはどこにいる?」

オリヴィアは気まずそうに頭をかいた。

「どこへ行くにも護衛にくっつかれてる感じが、あんまり...

ログインして続きを読む