第6章男の喜び

マシューは、オリヴィアの唇が不意に自分の唇へ押し当てられた瞬間、頭の中が真っ白になった。

幼いころから、原因不明の体質のせいで、女に触れることすらほとんどなかった。いま胸元に伝わる女の体温と鼓動に、脳が状況を追いつこうとして必死にもがく。

「くそ……抑えがきかない」

意識がますます霞んでいくオリヴィアは、マシューのシャツの裾から手を差し入れ、引き締まった胸板と腹筋の硬さを確かめるようになぞった。

「待て、ここはだめだ。エレベーターだぞ……」マシューは力の限り彼女を押しのけたが、次の瞬間には、彼女がまたしがみつくように抱きついてくる。

扉が開き、外で待っていたホテルのスタッフが数人、乗...

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