第62話あの恐ろしい子供

オリヴィアはすぐさま負傷した犬へ駆け寄った。

「なんてひどいの……こんな残酷なこと、誰ができるっていうの?」

オリヴィアは犬の傷を手早く確かめた。矢は深くまで刺さっている。内臓にまで達している可能性が高い――そう直感した。すぐに治療を受けなければ、この犬はほどなく死んでしまう。

「病院へ連れていかなきゃ」

オリヴィアが犬を抱き上げようとした、その瞬間だった。ザックが鋭く叫ぶ。

「危ない!」

次の刹那、ザックがオリヴィアを突き飛ばした。鋭い矢が負傷した犬のすぐそばの草地に突き立ち、衝撃で矢柄が小刻みに震えている。

駆けつけたばかりのドニーとトマスは、目の前の光景に凍りついた。

ザ...

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