第71話危険な男

オーロラの視線は、刻一刻と熱を帯びていった。いまや彼女の頭からは、スカーレットとのファンミーティングのことなどきれいさっぱり消えていた。

一生安泰の金持ちの妻になれるというのに、たった一人の芸能人が何だというのだ。マシューの子どもの母親にさえなれば、どんなスターに会うのだって電話一本で済む。

「オリヴィア……」床に倒れたままのマシューは、それでもなおオリヴィアの名を呟き続けていた。

オーロラの瞳に宿る嫉妬の火は、さらに勢いを増す。どうしても理解できなかった。オリヴィアがどんな魔法をマシューにかけたというのか、ここまで彼を虜にしてしまうなんて。

「あなたが彼女をどう思っていようと関係ない...

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