第10話

「直人の教育方針と、離婚協議書の細目について話したい」

数日ぶりに悠太から届いた電話は、いつになく事務的だった。

その声に、絵里は一瞬だけ目を細めた。

本当に直人の話だけなら、弁護士を通せば済む。

それでも悠太が「直接会う」と言い出した時点で、何か別の意図があることは分かっていた。

「時間と場所は」

絵里は短く尋ねた。

『明日の午後二時。場所は送る』

「分かった」

通話を切ったあと、絵里はスマホを伏せた。

研究室のモニターには、数日前に成功したばかりのデータが並んでいる。

高安定性体外神経ネットワーク培養――。

数ヶ月に及ぶ試行錯誤の末、プロジェクトは第一段階を突破し...

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