第100章

絵里はベッドの傍らに腰を下ろし、奈央に手を握られながら、とりとめのない話に耳を傾けていた。

直人はベッドの縁に身を乗り出し、祖母と母の顔を交互に見比べては、小さな顔にいっぱいの笑みを浮かべている。

窓から差し込む陽光が三人を包み込み、ぽかぽかと暖かかった。

昼になり、看護師が運んできたお粥を絵里が受け取る。スプーンでそっとかき混ぜ、温度を確かめてから奈央の口元へ運んだ。

「お義母さん、もう熱くありませんよ」

奈央は口を開けてそれを呑み込み、うつむき加減でお粥をすくう嫁の姿を見つめているうち、ふいに胸の奥がツンと痛んだ。

絵里が藤原家に嫁いできたばかりの頃を思い出す。あの頃は手際が...

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