第107章

絵里の姿を認めるなり、典弘の顔にぱっと喜びの色が走った。

だが、絵里は軽く頷いただけで、すぐ別の方向へ歩き出してしまう。

典弘が慌てて実験室から追いかけると、絵里は廊下でマネージャーと立ち話をしていた。

「あの……」

彼は頭を掻き、少し照れくさそうな笑みを浮かべた。

「空港とホテルでお会いしたんですけど、覚えてますか?」

絵里は彼を一瞥しただけで、何も答えない。

傍らにいたマネージャーが少し戸惑ったように、典弘と絵里を交互に見比べ、慌てて紹介に入った。

「雪見博士、こちらは典弘さんです。本日は小川さんに同行して見学にいらしてまして」

典弘は目を輝かせた。

「雪見博士? こ...

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