第11話

「離婚?」

百合子はようやく声を取り戻した。

「悠太、この子は何を言っているの。どういうことか、ちゃんと説明しなさい」

悠太の膝の上で、手が強く握りしめられていた。

関節が白く浮き上がっている。

彼は絵里を睨みつけた。

その目には、怒りと苛立ち、そしてわずかな焦りが混じっている。

「絵里、いい加減にしろ」

低く押し殺した声だった。

「出資の件で腹を立てているのは分かる。だが、おばあちゃんの前でこんな芝居をする必要があるのか」

芝居。

その言葉に、絵里はほんの少しだけ口元を歪めた。

やはり、まだそう思っているのだ。

自分が離婚を口にするのは、気を引くため。

困らせ...

ログインして続きを読む