第百四十七章

「素晴らしい若者だ。同世代の中でも、彼女はトップクラスに優秀だよ」

アンドリューが称賛を口にする。

雪枝の笑みが一瞬引きつったが、すぐに元の表情を取り繕った。

「ええ、絵里は昔からずっと優秀ですから」

傍らに立つ悠太の手には、ペットボトルの水が握られている。

彼はキャップを開け、ごく自然な動作でそれを雪枝へ差し出した。

あまりにも日常的でさりげないその振る舞いが、周囲から羨望の眼差しを集める。

雪枝はそれを受け取り、一口飲むと、ボトルの縁越しに絵里へと視線を向けた。

絵里はちょうど背を向けて立ち去るところだった。背筋をピンと伸ばし、こちらを一度も振り返ろうとはしない。

雪枝...

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