第百六十一章

ロビーでは、すでに悠太の秘書が待機していた。

「雪見博士、橘さん。藤原社長は急用が入りまして、片付き次第こちらへ向かいます。先に開発部へご案内いたしますね」

秘書はそう言って、二人を奥へと先導した。

開発部はビルの左奥にある工場棟に位置し、フロア全体が実験室と生産ラインで占められている。

ガラス張りの壁越しに、白衣姿の技術者たちが慌ただしく立ち働く様子が見えた。

秘書が扉を開け、二人を中へ招き入れる。

すぐさま開発部のマネージャーが出迎え、生産ラインの視察に同行しながら、第一ロットの機器の製造状況について説明を始めた。

絵里は細部まで熱心に観察し、折に触れて的確な助言を口にする...

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