第21話

琴音の電話はすぐに効果を現した。三十分もしないうちに、玄関のチャイムが鳴った。

メイドに案内されて入ってきたのは、二十五、六歳ほどの若い女性だった。

艶やかな長い髪を下ろし、顔立ちも華やか。歩く所作も優雅で、一目で上流階級で大切に育てられた令嬢だとわかる。

末岡寧々は、まず百合子に向かって浅く一礼し、それから悠太と琴音に会釈をした。その礼儀作法は完璧で、非の打ち所がない。

琴音はすぐに愛想よく歩み寄り、親しげに彼女の腕を取った。

「寧々、よく来てくれたわね。さあ、こっちに座って」

そして百合子と悠太を振り返り、紹介する。

「おばあちゃん、お兄ちゃん。この人がいつも話してる末岡寧...

ログインして続きを読む