第217章

絵里が部下たちにケーキを切り分けるよう指示すると、オフィスの混雑もようやく落ち着いた。

小林が花束を一つずつ部屋の隅へと移し、足の踏み場を確保していく。

「あっ」と、彼女がふいに声を上げた。晃から贈られた花束の中から小さな箱を取り出し、絵里に差し出す。

「わあ、こんなところにも入ってましたよ。危うく見落とすところでした。雪見博士、早く開けてみてください!」

絵里はそれを受け取り、蓋を開けた。

中には、エメラルドのネックレスが静かに横たわっていた。

宝石自体は小ぶりだが、色合いは深く鮮やかだ。ハート型にカットされ、華奢なプラチナチェーンにあしらわれたそれは、とても上品で愛らしい。

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