第221章

以前なら、こういうトラブルが起きたとき、真っ先に彼を頼っていた。

でも、もう駄目だ。

毎回彼にすがるわけにはいかない。

彼からはすでに十分すぎるほど与えられている。これ以上頼み事をすれば、金目当ての女だと思われるだけだ。

雪枝は深く息を吸い込み、手元の報告書を閉じてアシスタントに告げた。

「私の方でなんとかするわ。あなたは先に戻って」

アシスタントは何か言いたげに口ごもったが、最後には頷き、背を向けて退室した。

執務室のドアが閉まる。

雪枝はスマホでネットバンキングを開き、自身の口座残高を確認した。

一億五千万。

その数字の羅列を数秒見つめた後、彼女は思い切って、その半額...

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