第37話

絵里は、朝の眩しい日差しに目を覚ました。

この夜はひどく眠りが浅かった。意識が戻った瞬間、彼女は無意識に部屋の反対側へ視線を向けた。

ベッドの足元の床には、悠太が薄いブランケットを一枚被っただけで丸まっていた。

彼は本当に、床で寝たのだ。

絵里は視線を戻した。心にさざ波一つ立たなかった。

布団をめくって起き上がり、悠太のそばを通り過ぎようとしたとき、視界の隅で彼の顔が不自然に紅潮しているのに気づいた。呼吸も普段より荒い。

彼女は足を止めた。

また二歩、歩き出す。

だが結局は引き返し、身をかがめて彼のおでこに手を伸ばした。

(もし晃がここにいたら、「この女、ストックホルム症候...

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