第55話

翌朝。

絵里が階下へ降りると、ダイニングはすでに賑やかだった。

ダイニングテーブルについた直人が、ミルクをちびちびと飲んでいた。絵里の姿を認めるなり、ぱっと笑顔を弾けさせる。

「ママ、おはよう!」

直人のためにゆで卵の殻を剥いていた奈央も、絵里に気づいて声をかけてきた。

「絵里さん、起きたのね。さあ、早く朝ごはんになさい。後で悠太に職場まで送らせるから」

絵里は席に着き、家政婦から差し出されたホットミルクを受け取った。

「お義母さん、お気遣いなく」

絵里は淡々とした口調で断った。

「今日は研究室の用事で外回りがあるので、自分で運転していきます」

奈央の顔に一瞬だけ落胆の色...

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