第59話

絵里はベンチに腰を下ろしたまま、長い時間を過ごしていた。

頭上にあった太陽はゆっくりと西へ傾き、遊園地を行き交う人々の顔ぶれは何度も入れ替わった。

彼女はただ静かに座り、見知らぬ人々が通り過ぎていくのを眺めていた。

スマートフォンの画面は、ずっと暗いままだった。

こちらからかけた二回の電話には、一度も折り返しがない。

繋がらなかった発信履歴を見つめ、スマホをポケットにしまうと、絵里は立ち上がった。

待っていても来ないのなら、探すしかない。

先ほど来た道を辿るように歩き出し、人混みを抜け、いくつものアトラクションの脇を通り過ぎていく。

その途中、ふいに横から声をかけられた。

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