第60話

部屋に戻ると、絵里は先ほど食べ残したサラダの続きを口に運んだ。

だがその時、不意にスマートフォンが震えた。

晃からだった。

電話に出る彼女のトーンは、先ほどより少しだけ弾んでいる。

「橘さん、こんな時間まで起きているんですか」

「今、こっちの用件が片付いたところでね」晃の声は相変わらず落ち着き払っている。「君に朗報がある」

「朗報、ですか?」

「ラボに引き入れる技術スタッフの件だ。資料はもう君のメールに送っておいた。目を通してみてくれ。君の要望に合致するはずだ」

絵里はハッとして、すぐさまノートパソコンを開き、メールボックスにアクセスした。

受信トレイに届いていた数名分のレ...

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