第63章

夜、実家に戻ると、直人が眠たがったため、絵里はベビーシッターに寝かしつけを任せた。

リビングでは、悠太が一人掛けのソファに深く腰を下ろし、本を手にしていた。

絵里は彼に歩み寄り、バッグから金箔押しの招待状を取り出すと、傍らのローテーブルに置いた。

「来月、祖母の傘寿のお祝いがあるの」絵里は言った。「これ、招待状」

悠太が視線を上げ、その豪奢な封筒に目を留める。

彼は本を置き、招待状を手に取って中身に軽く目を通した。

「雪見家の本邸か?」

「ええ」

悠太は招待状を閉じ、再びローテーブルに戻した。

「出席する」

絵里はわずかに息を呑んだ。

これほどあっさりと承諾するとは思っ...

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