第70章

病院のエントランスを抜けると、心地よい陽光が降り注いでいた。

悠太に抱きかかえられて出てきた直人の小さな顔は、病院に入った時よりもずっと晴れやかだった。

経過は良好で、あと数日休めば普通に歩けるようになると医者から太鼓判を押されたのだ。

「パパ」直人は悠太の首に腕を回して甘えた。「ショートケーキ食べたいな。イチゴのやつ」

隣を歩いていた雪枝はそれを聞いてふふっと笑い、バッグから可愛らしい紙箱を取り出した。

「直人くん、雪枝がちゃんと用意しておいたわよ」彼女は箱を軽く揺らして見せる。「ほら、イチゴのショートケーキ」

直人はぱっと目を輝かせた。「雪枝、だーいすき!」

雪枝はケーキを...

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