第76章

一行を乗せたロープウェイは、ほどなくして山頂に到着した。

山頂を吹き抜ける風にはまだ冷たさが混じっていたが、晃が熾した焚き火の熱に炙られると、心地よい清涼感だけが残った。

絵里は焚き火のそばの岩に腰を下ろしていた。彼女の腕の中にすっぽりと収まった莉々は、小さな両手を炎の方へと伸ばし、その顔に満ち足りた笑みを浮かべている。

「おばちゃん、あったかいね」

絵里はうつむいて彼女を見つめ、そっと小さな上着の襟元を合わせてやった。

「寒くない?」

莉々は振り返り、ぱちぱちと瞬きをする。

「寒くないよ。おばちゃんがいるから」

絵里は彼女の小さな頭を撫で、くすりと笑った。

「お上手ね」

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