第81章

翌日の午後二時半。絵里は約束通り、待ち合わせのカフェに姿を現した。

席に着いて数分もしないうちに、入り口から聞き慣れた笑い声が響いてきた。

「絵里!」

ピンヒールを鳴らしながら、玲奈が足早に近づいてくる。鮮やかなイエローのワンピースは、落ち着いた雰囲気の店内ではひどく目を引いた。その後ろには、隙のないスーツを着こなす女性――菊江が続いている。

背黒菊江は玲奈より少し背が低いものの、放つオーラは遥かに強い。ショートヘアにゴールドフレームの眼鏡。ビジネスバッグを手に、風を切るように歩く。

「雪見博士」菊江は絵里の向かいに腰を下ろし、からかうように笑った。「お久しぶり。最近、ずいぶんと活...

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