第87章

晃はわずかに眉をひそめた。

「どういう意味だ」

晧一は鼻で笑った。

「言わなくても分かるだろう。彼女が俺に不満を持っているだけじゃないか。雪枝の件で根に持って、そのせいで橘さんまで俺との提携を渋っている」

晃の眼差しが徐々に冷ややかさを帯びる。

「白壁社長、それは邪推というものだ。絵里のラボは彼女自身がゼロから立ち上げたもので、大小問わずすべての決定権は彼女にある。私は一株主に過ぎず、提携の話に口を挟むことなどない」

晧一は虚を突かれたように言葉を失った。

「彼女が、自分で決めているだと?」

晃は静かに頷く。

「設立のその日から、すべての意思決定は彼女一人の手によるものだ。...

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