第93章

絵里はすぐさま少し離れた場所へ移動し、電話に出た。

「雪見博士、蒼天生命科学研究所から新しいデータが送られてきました。パラメータの確認をお願いします」

受話器の向こうから、小林の声が聞こえる。

「何のパラメータ?」

数分ほど言葉を交わし、絵里は的確に指示を出していく。

通話を終えたときには、すでに十分が経過していた。

振り返ると、悠太が直人を抱きかかえ、二人で顔を寄せ合ってスマホの画面を覗き込んでいるのが見えた。

画面はビデオ通話のようだった。絵里の位置からはよく見えなかったが、直人の弾んだ声を聞けば、相手が誰かは容易に想像がついた。

「雪枝、今日ね、僕たち一等賞だったんだよ...

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