第96章

水曜の夜。晧一の車が藤原グループの地下駐車場に滑り込んだ。

今日は悠太とプロジェクト提携の件で会う約束をしている。

オフィスエリアを通りかかったとき、思いがけず向かいの会議室から見覚えのある人影が出てきた。

「小川さん?」晧一はぱっと目を輝かせた。

雪枝も当然、晧一に気づいていた。

彼女はふわりと微笑む。「白壁社長。悠太と打ち合わせですか」

「ええ、アポを取ってまして」晧一は彼女の手元にある資料にちらりと視線を落とした。「プロジェクトの進捗は順調で?」

雪枝は笑みを崩さない。「ええ、まあ。着実に進めていますよ」

晧一は頷いたが、ふと何かを思い出したように口を開き――そして、言...

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