第99章

花火大会が最高潮に達した頃、悠太のスマホが震えた。

画面の着信表示に目をやると、琴音からだった。

電話に出るなり、こちらが口を開くより早く、琴音の泣きそうな声が飛び込んできた。

「お兄ちゃん、お母さんが階段から落ちて大腿骨を骨折したの! 今、病院に向かってる!」

悠太の顔色が一瞬にして変わった。

「どこの病院だ?」

「市立中央病院の救急外来!」

「すぐ行く」

通話を切り、眉間を深く寄せる。

「母さんが怪我をしたらしい。俺は病院へ行くから、君は直人を連れて先に帰ってくれ」

雪枝は顔から笑みを消し、慌てて頷いた。

「早く行ってあげて。直人くんは私に任せて」

直人はりんご飴...

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