第16章 ブローチ

 病室。

 オリヴィアが目を覚ました。下腹部に、まだ鈍い痛みが残っている。

 重たいまぶたを、どうにか開く。

 ベッド脇にはジェイソンがいて、検査結果の紙を覗き込んでいた。

 彼はオリヴィアの気配に気づくや、ぱっと顔を上げる。そこにあるのは、隠しようもない心配と焦り。

「オリヴィア、起きたか。気分はどう? どこか苦しいところはない?」

 穏やかな声のまま立ち上がり、ジェイソンは水を注いで戻ってくる。

「ジェイソン……」

 喉がからからで、声が掠れた。起き上がろうとしても、身体に力が入らない。

「動くな。今は横になって休め」

 背中に枕を足して角度を整え、掛け布団の端までき...

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