第22章 入浴中に見られた

 ルカは深く考えもせず、追いかけた。背後で、ウェンディの顔色がじわりと冷え、刃物みたいに尖っていく。

 主寝室の前まで来たところで、オリヴィアが簡素なボストンバッグを手に、部屋から出てきた。

 中身はスキンケア用品と、着替えが数枚――それだけ。

 扉の前で、二人の視線がぶつかる。

 ルカは彼女の凪いだ表情を見つめたまま、何を言えばいいのかわからなかった。

 小切手は受け取っている。なら、もう文句もないはずだ。

 ――俺は、いよいよどうかしてる。

 おとなしくて、騒がなくて、いい子でいる。それで十分じゃないか。

 ルカは咳払いで気まずさを隠し、努めて平然を装った。

「荷物なん...

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