第23章 余計な存在

 不意に起きた出来事に、オリヴィアは息を呑んだ。頭の中は真っ白で、湯の中に呆然と沈んだまま動けない。

 ルカの視線が、深く、どこか獲物を量るみたいに彼女をなぞる。胸元から足首まで――。

 オリヴィアの身体は、どこを切り取っても非の打ちどころがない。

 どうしようもなく、目を奪われる。

 ルカの呼吸が荒くなる。彼は浴槽の縁へ一歩で詰め、身を屈めてオリヴィアを引き寄せた。後頭部を掴み、逃げ道を塞いだまま、唇を奪う。

 理由なんてない。

 ただ、身体がそうしたがった。

 柔らかな唇の感触を確かめた途端、胸の奥に燻っていた苛立ちがすっと引いていく。

 オリヴィアは必死に彼の胸を押し、...

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