第39章 キスして飴を食べさせる

「……家族のパーティーが終わってからにしろ」

 ルカが沈黙を破った。どこかぎこちない声だ。

「今離婚したら、余計な面倒を呼ぶだけだ」

 オリヴィアも、自分たちの決断があまりに衝動的だったと思っていた。視線を落として感情をしまい込み、淡々と答える。

「……わかった」

「行くぞ。車、出す」

 ルカは階段を下りる。

 オリヴィアも後ろに続いた――その瞬間、視界がすとんと暗くなった。心臓が異様に速い。背中に冷たい汗が一気ににじむ。

(最悪……!)

 朝食は食べた。なのに、どうして。唇を噛み、手のひらを爪で強く押しながら、ゆっくりしゃがみ込む。

「オリヴィア?」

 ルカが足を止め...

ログインして続きを読む