第44章 疑われた

 オリヴィアはふいに、胸の奥から安堵が湧き上がるのを感じた。

 ――よかった。妊娠のこと、口にしなくて。

 ルカは離婚を急いでいる。もし知れたら、彼は彼女の身体の都合なんて顧みず、無理やり病院へ連れていって、子どもを消そうとするだろう。

 目の縁が熱くなる。オリヴィアは腹に視線を落とし、苦く笑った。

「聞こえる? 赤ちゃん。ママが残酷なんじゃない。あなたの誕生を望む人がいないの。……パパだって、この世界に来てほしくないと思ってる」

 来月のパーティーまでの一か月。きっと、息が詰まるほど長い。

 オリヴィアは黙って水を飲み、二階へ上がって眠りについた。

「どこへ行ってた」

 ル...

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