第50章 他人と抱き合うのを見た

「ルカ、何してるの! 放して!」

 オリヴィアは必死に身をよじったが、腕を掴まれたまま逃げられない。

 ぐい、と引き寄せられ、そのまま休憩室へ連れ込まれる。

 扉が閉まる音がやけに大きく響いた。

 ルカは彼女を抱え込むように胸元へ押しつけ、荒い息を吐く。青い瞳の奥に怒りが滲んでいた。

「覚えておけ」

 低く、噛み殺すような声。ルカが顔を寄せ、警告する。

「離婚協議書が成立するまでは、お前は俺の女だ。男と二人で飯なんか行くな。今すぐその立場から逃げられると思うな」

 オリヴィアが何か言い返す前に、ルカが唇を塞いだ。

 ――嘘。

 頭が真っ白になる。

 ここは会社の休憩室だ...

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