第57章 感情爆発

 人波の途切れない大通りの真ん中で、オリヴィアはぐったりと息を吐いた。

 ――どんなことがあっても、治療だけはやめられない。失った記憶は、必ず取り戻さなきゃ。

「わかった。今から行く」

 そう返して、オリヴィアは病院へ急いだ。

 ジェイソンは待っていた。

 オリヴィアが診察室に入った途端、彼は眉をひそめる。首筋に残る赤い腫れ――それが目に入ったのだ。

「首……どうした?」

 手にしていたカルテを置き、すぐ近づいてくる。

「何があった」

「何でもない。会社でちょっと揉めただけ」

 それ以上を語りたくなくて、オリヴィアは言葉を切り、話題を変えた。

「治療、始められる?」

...

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