第61章 辞表を出した

 オリヴィアは、事情も確かめず自分を責め立てるルカを見つめ、胸の奥に残っていた最後のぬくもりまで、すっと冷えきっていくのを感じた。

「ひどい、ですって?」

 オリヴィアはふっと笑った。そこに温度はない。あるのは、鋭い皮肉だけだった。

「ルカ、私がじいさまの前であの子の悪口を言うところ、あなたはこの目で見たの?」

「どうして私が、じいさまにあの子を辞めさせたって決めつけるの? あの子が泣いてすがれば、それだけで信じるわけ?」

 真正面から問い返され、ルカは一瞬言葉を詰まらせた。眉間のしわがいっそう深くなる。

「……お前が言ったかどうかはともかく、祖父上の判断は性急すぎる」

 その...

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