第65章 その気はしまって

 オリヴィアは、そこに潜む問題に気づいていなかった。

 一日中くたくたで、今はただ風呂に入りたかった。

 ルカがどこへ行こうと、自分にはもう関係ない。

 ルカはドアノブを強くひねった。だが、びくともしない。

 やはり祖父は本気なのだ。

 二人をここに閉じ込め、無理にでも関係を和らげるつもりらしい。

 そのとき、浴室からざあっと水の流れる音が聞こえてきた。

 ルカは思わずそちらを見る。

 ほんのり温かな湯気がドアの隙間から漂い出る。淡いボディソープの香りまで混じっていた。

 それは、オリヴィアからいつもふっと香る匂いと同じだった。

 ルカの喉仏が上下する。

 視線は意志に...

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