第10章

「どうして飲んではいけないんだ」晴人は眉をひそめ、美月を見つめた。

美月は彼の目を真っ直ぐに見返したまま、一言も発することができなかった。

ゆっくりと手を引っ込め、うつむき加減で口元に自嘲の笑みを浮かべる。

「……なんでもない」苦笑交じりに呟く。「好きにして」

香織の身代わりに酒を飲もうとしているのだ。

これ以上、何を止められるというのか。

晴人は彼女を一瞥しただけで何も言わず、瓶の酒をそのまま一気に飲み干した。

その後、香織は彼にすり寄り、甘えるような小声で囁いた。

「ハルト、私の代わりにお酒飲んでくれて、ありがとう……」

その親しげな様子は、まるで熱愛中の恋人同士のよう...

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