第15章

翌朝、美月はスマホの着信音で目を覚ました。

画面には『若菜』の文字。寝ぼけ眼をこすりながら時間を確認すると——

まだ七時半だった。

昨夜は深夜の二、三時まで寝付けず、頭はまだひどく重い。

電話に出ると、声はかすれていた。

「もしもし、お義母さん……」

「美月!」

浅野若菜(あさの わかな)の金切り声が、刃物のように頭上から振り下ろされた。

「あなた、昨日晴人のお金を三百万も使ったって本当!?」

美月は一気に目が覚めた。身を起こし、眉をひそめる。

「どうしてそれを?」

この義母のことは好ましく思っていなかったが、目上の人間である以上、なるべく敬意を払った口調を保つ。

こ...

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