第23章

晴太が、いなくなった!

つい十分前、コンサートを観るために劇場へ向かおうとしていた、その時だった。

広場は行き交う人々でごった返し、美月は焦りで額に汗をにじませていた。

広場の中央に立ち、爪先立ちになって辺りを見回す。一人ひとりの顔を目で追うが、どこもかしこも人だらけで、晴太の姿は欠片も見当たらない。

「晴太!」

叫んでみたものの、その声はたちまち人波の喧騒に呑み込まれてしまった。

ほんの少しうつむいて、メッセージを一つ返しただけだった。顔を上げたときには、もう我が子の姿はなかった。

たった数秒の間に、晴太が消えてしまったのだ。

美月は広場をもう一周走り回り、隣の噴水周辺も探...

ログインして続きを読む