第26章

午後、樹はスタジオLYへ顔を出した。

美月は夏美から振り込まれた手付金のスクリーンショットを樹に見せ、少し得意げな声を出した。

「百万よ。しかも、ただの手付金」

樹はそれを受け取って一瞥し、口角をわずかに上げた。

「ああ、悪くない」

「幸先がいいな」

彼は背後の助手を振り返り、顎でしゃくった。助手はビジネスバッグから書類の束を取り出し、こちらへ差し出す。

美月が視線を落とすと――

そこには十数部もの提携意向書が、綺麗に揃えられていた。

「午後にも新規の大口クライアントが二件来た。どっちも君のポートフォリオを見て、向こうから声をかけてきたんだ」

美月は顔を上げ、信じられない...

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