第36章

美月は言葉を返しそびれ、しばらく沈黙したあと、ふと口を開いた。

「亜紀、晴太もそろそろ幼稚園の年だよね」

亜紀が応じる。

「そうだね、四歳だし、年中さんになる頃だ」

「普通の幼稚園じゃ、あの子にはきついんじゃないかって思って」

美月は膝の上で、指先をトントンと軽く叩いた。

「耳もよく聞こえないし、言葉もうまく話せないから……いじめられないか心配で」

「臨海市に、どこかいい特別支援学校はないかな? 園長先生から担任の先生、それに周りの子たちまで、みんなが優しいようなところ。あの子に辛い思いだけはさせたくないの」

亜紀は少し考えてから答えた。

「そういえば一つ聞いたことがあるよ...

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