第37章

オルゴールは小さく、精巧な作りで、晴太の小さな手のひらにすっぽりと収まるサイズだった。

本体は黒く艶やかで、蓋を開けると、中にはミニチュアのピアノの鍵盤が並んでいる。白鍵も黒鍵も、すべてが本物そっくりに作られていた。

晴太がそっと鍵盤に触れると、箱の中からポロロンと澄んだ音がこぼれ落ちた。

美月はふいに息を呑んだ。

オルゴール。

まさか、オルゴールだなんて……。

この間、晴人が息子のことを「耳も聞こえないし話せないんだ」「音楽なんてわかるはずがない」と言い放ったのを思い出す。

「普通じゃない」「外に連れ出すのは恥だ」とまで言っていたのに。

それなのに今、彼は息子にオルゴールを...

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