第39章

美月は何も答えず、ドアを押して部屋を出た。

空になったお椀を手に廊下を抜け、厨房へと向かう。

広間を通りかかると、浅野家の親族が数人、入り口で立ち話をしていた。

彼女の姿を認めると、そのうちの一人が笑顔で声をかけてきた。

「本当によくできた奥様ね。ハルト様のご気分が優れないと聞いて、すぐに何か作って差し上げるなんて」

「ええ、本当に仲睦まじいことで」

別の親族も相槌を打つ。

美月はただ微笑むだけで、何も弁解しなかった。

厨房に入り、お椀をシンクに置いて水道の蛇口をひねる。

勢いよく流れ出る水が、お椀の底に残っていた最後の一粒の米を洗い流していった。

空っぽになったお椀を見...

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