第43章

晴太は最後のいくつかの音を弾き終えると、小さな手を鍵盤に置いたまま、ふうっと深く息を吐いた。

そして顔を上げ、リビングの入り口に立っている母親の姿を認めた。

彼女に向かって、ぱっと花が咲いたような笑顔を向ける。

美月は歩み寄り、そのそばにしゃがみ込んだ。

何か言おうとしたが、喉の奥に何かがつかえたように声が出ない。

息子の頭を撫でる手は、指先まで震えていた。

「晴太」かすれた声が漏れる。「この曲……自分で弾いたの?」

晴太はこくりと頷き、小さな手で手話を切った。

『おもちゃのピアノで弾いてみたんだ。ママに聴かせたくて』

つまりこの曲は。

彼が自分で、楽譜もないままに弾き出...

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