第45章

ちょうどその頃、美術館の反対側にあるエントランス。

一台の黒いセダンが、誰の目にも留まらないようひっそりと滑り込んできた。

車から降り立った和也は、仕立てのいい黒のスーツに身を包み、白いシャツの襟元には黒い蝶ネクタイを締めている。

反対側のドアから降りた助手が、小走りで彼に追いついた。

手にした資料に目を落とし、歩きながら読み上げる。

「和也様。今夜のチャリティオークションですが、芸能界を引退した夏美が主催となっておりまして、出席者の大半は芸能界やファッション業界の人間、それに一部のコレクターや投資家たちです」

「出品されるのは主にジュエリーや美術品で、珍品も少なくないとか。収益...

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