第46章

大理石の床を叩くハイヒールの音が、カツカツとせわしなく響く。

美月はロビーを抜け、廊下へと駆け込んだ。

長い廊下の両脇には絵画が飾られている。頭上のセンサーライトが、彼女の足走りに合わせて次々と灯っていく。

その突き当たりで、エレベーターの扉がゆっくりと閉まりかけているのが見えた。

「待って……」

叫びながら、さらに足を速める。

だが、遠すぎる。

エレベーターの前にたどり着いたときには、扉はすでに完全に閉ざされていた。

扉の上の数字が切り替わる――B1F、駐車場。

いくらボタンを叩いても、どうにもならない。

美月はエレベーターの前で身を折り、荒い息を吐いた。心臓がドクン、...

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