第48章

和也とアシスタントが専用車に乗り込む。ドアが閉まった瞬間、外の喧騒が完全に遮断された。

車内は静まり返り、かすかなエンジン音だけが響いている。

運転手が車を発進させ、サナトリウムの正門を抜け出す。

両脇に並ぶプラタナスが、陽光を浴びてまだらな影を落とす。和也はシートに背を預け、静かに目を閉じていた。

その座り姿勢は相変わらず端正で、背筋がすっと伸びている。

だが、眉間には皺が寄り、冷ややかで気高い顔立ちに、どこか憂いを帯びた影を落としていた。

膝の上に置かれた手は、白く細長く、骨張っている。その指先が無意識に二度、軽く膝を叩き――そして止まる。

また二度叩いては、止まる。

助...

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