第49章

和也はノートパソコンを受け取ると、視線を画面に落とした。

メールは短かったが、彼はゆっくりと時間をかけて目を通した。

「晴太の母です」から始まり、「息子に音符のぬいぐるみを贈っていただき」というくだり、「先天性の聴覚障害」について、そして「夏美さんにお伝え願えないでしょうか」という結びまで。

その視線は途切れることなく、最後の一文までなぞり続けた。

執務室は、針の落ちる音さえ聞こえそうなほどの静寂に包まれていた。

「彼も、心に壁を抱えていたのか」

和也はパソコンを置き、独り言のように微かな声で呟いた。

アシスタントが小さく息を吐く。

「ええ、和也様」

「昨日、スミス教授から...

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