第53章

美月は床に散らばったオルゴールの残骸を指差し、その指先を小刻みに震わせた。

それは、あの音符のぬいぐるみを除けば、晴太が何よりも大切にしている宝物だった。

晴人からプレゼントされて以来、毎晩必ずゼンマイを巻き、その音色を聴き終えてからでなければ眠ろうとしなかった。

いつも枕元に置き、母親である彼女にさえ触れさせなかった。

それなのに今、無残に砕け散っている。

陽菜はさらに大粒の涙をこぼし、必死に首を振りながら泣きじゃくった。

「水野おばさん、ちがうの……わたしじゃない……晴太くんが投げたの……」

手の甲で涙を拭うその姿は、ひどく理不尽な目に遭ったと言わんばかりだった。

「晴太...

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