第54章

美月はスマホを握りしめたまま、黙り込んでいた。

亜紀の言う通りだ。

晴人に嫁いでの三年間、彼女は自分のために生きたことなどほとんどなかった。

深く息を吸い込み、電話口に向かって口を開く。

「亜紀、あなたの言う通りね。私、吹っ切れたわ。これからの人生、もう晴人を中心に回るのはやめる。自分のために生きることにする」

「それでこそ私の知ってる美月よ!」亜紀の声に笑みが混じる。「で、夜はどんなパーティーに出るの? どんなスタイリングがいい? すっごく腕のいいスタイリストを何人か知ってるから、絶対きれいに仕上げてあげる!」

美月は心から感謝した。

「ありがとう、亜紀!」

「スタイルはな...

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