第55章

二人は美月のためのドレスを選び始めた。

美月はすっかり目を奪われていた。どれも美しく、それぞれに個性があり、到底一つには絞りきれない。

一方のエラは焦る様子もなく、一着ずつじっくりと見て回っている。指先で生地を滑らせ、時折立ち止まっては品定めするように見つめ、また首を振って歩き出す。

ラックの中ほどまで来たとき、彼女の足が止まった。

指先が一着の紫色のドレスに触れる。ハンガーから外し、美月の目の前へと掲げてみせた。

ミッドナイトパープル。

決して派手でけばけばしい紫ではない。深夜の空のようでもあり、熟れきった葡萄のようでもあり、照明の下で幽玄な光沢を放っている。

生地は厚手のシ...

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